STAGE5 あまくさ町

〜天草の中でもとくに美しい海を持つこの地域に何が・・・〜



・・・あれ?

ふと気がつくとどんたはあまくさ町の海でボートに揺られていました。
周りにはアズキコンビや洪水丸の姿もありません。


「えっと・・・ああ、そうか・・・」


ゴショウラ島の冒険の後、、みんなをすもと町の港に送り届けたどんたは、
不安を悟られたくなかったので、ほかに用があるふりをして
ひとりだけボートでその場を離れたのでした。


そうしているうち、さすがに疲れたのか
いつの間にか眠ってしまっていたようです。



「・・・それにしても、ずいぶん遠くまで流されたなあ」

あまくさ町は、どんたも昔おじいちゃんに連れられて一度だけしか来たことがないほど
すもと町から離れています。
どんたは、今回冒険した不知火海から、天草下島を
ぐるりと迂回するようにはるばる流されてきたことになります。



「そうだ!どうせだからオバケ船のおじさんに会っていこう!」


オバケ船とは、あまくさ町の「お万ヶ池」に
住む船の妖怪で、池を訪れた者を気さくに
歓迎することで、妖怪仲間たちの間では
有名です。

どんたもかつてあまくさ町に来たときは、
このオバケ船に歓迎され、楽しいひと時を
過ごしたのでした。

「おじさん元気かなぁ・・・」

どんたはボートを岸に寄せると、記憶を
頼りに、池へ歩き出しました。


「お万ヶ池」に到着したどんた。
ちょっとした湖ほどの広さのある池の水面は、
しんと静まり返っています。



「オバケ船のおじさーん?」


「さーん・・」
「さーん・・」
「さーん・・」




相変わらず静かな池は、物音ひとつたつ様子もありません。

「おかしいなあ、ほんとならすぐ出てくるはずなのに・・・」

どんたはいぶかしく思い、油の板を浮かべ池の上に出てみることにしました。


「おじさーん!?どこなのー!?」
オバケ船を探しながら池を進んでいくどんた。

「おかしい、絶対なにか変だぞ、なにかがいつもと違う・・・」

と、そこまで口にしたとき、どんたは自分の言葉で
これまでの出来事を思い出しました。

ご先祖様の本に書かれていた大事件、
急に暴れだして海に逃げたピエール、
海の妖怪たちが最近妙だと言っていた大ダコ、
何かに操られているようだった恐竜・・・


「まさか・・・」

そのとき、

ザザ・・・ザザ・・・
ザザザ・・・ザザザ・・・
ザザザ・・・ザザーーーッ!!

あんなに静かだった池の水面が、突然嵐のように
騒ぎ始めました!!

「うわっ!な、なんだぁ!?」

ゴォォォォォッ!!



ザバァーーーッ!!








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