「うっ、うわああぁぁああ!?」


「うぐぐ・・・そっ、その声・・・
いつぞやの油すましの子供か・・・?」



「えっ、ということはオバケ船のおじさんなの!?」



「ああ・・・そ、そうだ・・・」







「おじさんじゃないじゃん!」


「ちっ、ちがう!何やらおかしなものにとりつかれたと
思ったら、いつのまにかこんな
ふうに
クナタンダァァア!



ゴォォアアアア!!

突然、オバケ船が叫んだかと思うと、空も湖も
ひっくり返るような大嵐が巻き起こりました!
オバケ船はいつもは気さくですが、実は台風並みの
大嵐を起こす妖怪として知られています。


「うわぁぁぁあ!!」

空高く舞い上げられるどんた。その直後、嵐は
ぴたりと止み、どんたはまっ逆さまに池に
落ちました。

ジャボン



「ブハッ、なにすんだよ!」


「すっ、すまん、こうなんだ。この姿になってから
自分が自分じゃなくなっちまったみたいだ」



「じゃあ、気持ちとは関係なく
さっきみたいになるってこと?」


「ああ、それも回数、時間が日に日に多く、長くなってきてる。
いつか他の妖怪や人間を傷つけてしまうかも
うと
ホントニホントニ楽シミダァァア!!!




ゴォォアアア・・・!






「ぐはっ、ぐはっ、ぐはっ、」


荒く息をするオバケ船は本当に、本当に苦しそうでした。


「・・・よし!僕がオバケ船のおじさんの中に入って、原因を突き止めてくる!」


「な!ム、ムチャだ!とりついてるヤツはおそらく
最深部にいるぞ」



「大丈夫!危険な冒険には慣れてるから!」


「ワシの体は地下10階まであるぞ」


「長ッ!」




まあ、それでも仕方がないので、探索することにしました。
オバケ船のおじさんが落ち着いているときを見計らって、素早く船の上に上るどんた。

「よいしょっと」


ゴォォアアア・・・!



どんたが到着するのと同時に、また嵐が吹き荒れ始めます。
雨と風が打ちつける船上を、一歩一歩進むどんた。
やがてどんたの前に、小屋のようなものが現れました。
「あれか・・・」
中をのぞきこむと、下へ降りるはしごのようなものが見えます。








「・・・よし、行くぞ!」
どんたは意を決して、はしごを降りていきました。



次へ













SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送