第四項 伝説の妖怪が眠る墓
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のどかな町並みの中を、妖怪たちと戯れながら北上していくと、最後に栖本妖怪民話の中でも超弩級の伝説スポットが待っている。そう・・・このページのタイトルにもなっているあの妖怪が眠る
油すましどんの墓
では、不思議案内のクライマックスにご同行願います。
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かっぱ街道を北上(南下でもいいが)していくと見えてくるのがこの看板。街道から矢印の通りに折れるともう油すましの秘境への第一歩である。河童と油すまし、水と油が交わるこの辻は栖本町の中でもことさら妖気がハンパない。
ちなみに看板は、地域住民の方々が何とか油すましを盛り立てようと作ったものである。手作りの樹の香りに、住民の方々の想いの強さが伝わってくる。 |
続けざまにあなたを迎える手作りの看板たち。
ここで嬉しい情報として、妖怪スポット「油すましどんの墓」には専用の駐車場がある。そう大きな駐車場ではないが、まず間違いなくいつ来ても駐車することが出来るだろうから100%ご安心を。 |
ずんずん進んでいくと、いつの間にかこんな道に入っている。もともと田舎ではあるが、やはり妖怪の総元締めへ近づいていくだけに雰囲気が違う。実は車一台がギリギリ通れるぐらいの幅はあるが、のんびり歩いても墓までは3分とかからないので、駐車場に車を止めて後は徒歩、の方がいいだろう。 |
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最後の看板を横目で見やり、あぜ道を光の中へ下りていくと・・・ |
あった・・・!
油すましの伝説は柳田國男「妖怪名彙」に見られる一話、かつて、孫を連れた老婆が草積(くさづみ)峠を歩きながら、孫に「ここには昔、油瓶下げたのが出よらいたちゅうぞ」と言うと、物陰から「今も出〜る〜ぞ〜」と言いながら飛び出してきた、という話に端を発する。というかこれ以外のことはあまり知られていない妖怪らしい。
草積峠は、油すましどんの墓とは離れたところにあり、グネグネと曲がる山道(油すましどんの墓への道ではない)を登っていくことになる。行きやすい場所とは言いがたいが、近年広域農道の開発の関係で幾分アクセスしやすくなり、実際に、かつて草積峠と呼ばれた細道に今でも下りることが可能である。 |
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上から見た「油すましどんの墓」エリア一帯。
柵や椅子、テーブルなどはもちろん現地の人たちが作ったもので、この場所は訪れた人の憩いの場である同時に、油すましどん本人にとっては「家」とも呼べる空間である(玄関あり、リビングあり、寝室あり)。
秘密基地のようなこの空間、油すましどんも気に入っているのではないだろうかと思う。
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