第三項 竹林のやまぎわどん




旧河内小学校の校舎から道路を隔てたところにある体育館。この体育館の裏手には、いかにもな雰囲気の鬱蒼とした竹林が広がっている。そして、「学校」という、古今東西怪談が発生しやすい場所柄もあって(?)、やはりここにも妖怪はいた。
その名は

やまぎわどん







体育館自体は、普通の近代的な造り。この空間自体も意外と見通しがよく、じめじめした雰囲気はまったくない。しかしひとたび視線を写真左側に向けると、近代的な建物とは対照的な見事な竹やぶが広がっているのである。
では、見てもらいましょう。






もっと竹やぶの大きさがわかる写真にしろ!という意見も多いだろう。しかしこの写真を選んだのには理由がある。写真の赤い矢印の先、樹の根元に、なにやら石で出来たお地蔵さんのようなものがあるのがわかるだろうか。実はこのお地蔵さんこそ、やまぎわどんを祭っていると言われるものなのである!姿のない妖怪に姿を与えた偶像のようなものだ。






ちょっとわかりにくいけど、樹の上のほうには大きな蜂の巣もあるよ。






そして、お地蔵さんから視点をぐーっと左に移すと、かつては付近の住民たちに用いられていたという井戸がある。実はこの井戸が曲者。この井戸の水はとてもきれいでおいしいと評判だったのだが、どうも利用した者からおかしな話を聞く。それは、辺りが見えにくくなる夕暮れの頃にこの井戸に水を汲みに来ると、誰もいないのに服を引っ張られたり、足を触られたりすることがあるというもの。人々はそれを「やまぎわどん」と呼び、たいそう不思議がったが、危険はないのでそれ以上気にすることはなかった。かくして井戸の名水は長い間人々に愛され続けたが、やがて水道が普及し、水を汲みに来る人が無くなると、井戸は静かにその役目を終え、いつしかやまぎわどんも現れなくなったという。






「やまぎわどん」といういかにも豪快な名前とは裏腹に、伝わっている話を聞くとちょこまかとしたいたずら小僧という印象が強い。付近住民からもとり立てて恐れられることはなく、むしろかわいがられるマスコット的存在だったのではないかと憶測できそうな感じだ。
しかしやっぱり名前のイメージは重要なので、このホームページのためにキャラクター化された「やまぎわどん」は、右イラストのようにモコモコした雪男風の大きな妖怪になっている。共通点があるとすればこの「やまぎわどん」もおとなしく、実在したらおそらく付近住民から好かれるだろうということぐらいか。

↑おちゃめなやまぎわどん






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