かつて、天草に訪れた危機―――






平和だった天草の妖怪たちの様子が、ある日を境に変わった。
突然狂ったように暴れ始め、妖術を駆使して互いに争い、傷つけあう。
妖怪たちの争いは日に日に激しさを増し、
やがて彼らは里に下り、家畜や建物、そして人間をも襲うようになった。

暴れる妖怪たちの目は、もはや平和に暮らしていた頃の目ではなく、
どうにか正気を保った妖怪が説得にあたっても
話を聞き入れず、逆に襲い掛かってくるほどだった。

何もかもが絶望的に思われた、その時―――
すもと町で立ち上がった者たちがいた。





大将は齢350歳の老油すまし、油左衛門
副大将は身の丈七尺八寸の大河童、濁流坊
彼らこそがのちに伝説となる天草妖怪の乱に勝利し、
天草の平和を守った勇者たちである―――



「なにをやっとるんじゃっ!」
そのとき、どんたに誰かが冗談っぽく声をかけてきました。
どんたのおじいちゃんです。

「じいちゃん、これ・・・」
「おお、それはな、ご先祖様の、本当にあった戦いの
記録なんじゃ。ご先祖様の勇ましい姿が目に浮かんで
くるようじゃろ?」
「ぼくもこんな冒険したい!」
「なぬ!?」


急な言葉に、おじいちゃんは冗談かと思い笑って
済ませますが、どんたはどうやら本気のようです。
「ねえ!ぼく冒険に行きたいよ!」
「うーむ・・・
 ・・・・よし、そんなら、いっしょにご先祖様のお墓に
参って、冒険をさせてくださいとお願いしてみるかの」
「ご先祖様のお墓?」

初めて聞く話でしたが、どんたはおじいちゃんの後についていってみることにしました。




「これが、ご先祖様のお墓じゃ」
「うわぁ・・・・・・!」






そこにどんたが見たものは、月明かりに照らされた三体の顔のないお地蔵さんでした。
そのとき


「どんたよ・・・」



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